「自分たちのサッカー」がダメではないと思う理由。なぜW杯で惨敗したのか?

ハリルが解任されて、巷でよく見かけるのがこんな意見。

「また”自分たちのサッカー”に戻るのか?前回のW杯で惨敗したのを忘れたのか」

自分たちのサッカー”。

この単語を見ると、個人的には残念に思ってしまいます。
くくり方が大雑把すぎるのでないかと。

まず、この単語を、単に批判したいだけの目的で使っているケースは除外して。

”自分たちのサッカー”というのは、大抵はおそらく、パスサッカー、ポゼッションサッカーを指していると思います。ざっくり言えばですが。

で、それらが通用しなかったと。

自分たちのサッカーは通用しなかったのか

実は前回のブラジルW杯では、選手は試合後にこんなことを言っています。

「自分たちのサッカーをやらせてもらえなかった」

なかなか興味深いと思います。
自分たちのサッカーが通用しなかったのでは無い
やらせてもらえなかった

じゃあ、もしもやらせてもらえていたなら、どうだったか?

例えば、善戦していたコンフェデ杯のイタリア戦。
あの試合は、自分たちのサッカーがやれていたんだと思います。
もちろん、あれはイタリアもかなり緩い状態で入っていました。
それを考慮しての話です。

他にも良い試合はいくつもありました。
ですから、当時のポゼッション主体のサッカーが全否定になると、どうなのかという気がします。
すべてが悪いわけではなかったと。

なぜここまで叩かれるのか

では、なぜ自分たちのサッカーが叩かれるのか。

なんといってもW杯での負け方でしょう。
あまりにもふがいなかった。
その悪印象と、試合後の「自分たちのサッカー」発言が、結び付いてしまった。

なぜ、W杯では自分たちのサッカーがやれなかったのか。
その理由はいくつかあります。

単純に実力が足りていない、というのは置いておいて。

コンディション

これがもう致命的だったと。
あまり言われていないのですが、W杯序盤では選手のコンディションが悪すぎました。
しかも多くの選手が。

たいていは、1試合に1人ぐらいはいたりするものです。
ところが、多くの選手で悪かった。

岡崎、本田、香川が、3人ともパス成功率がほぼ60%
精度が低すぎました。これでは勝てるわけがない。

それでも結果的に接戦になったのは、コートジボワールもコンディションが悪かった。
他国メディアには「退屈な試合だった」と書かれていました。

なぜ悪化したのか

コンディションが悪くなった理由。

一説には、キャンプ地から試合会場までの移動距離が長すぎたとか。
または、合宿時の追い込みが影響したとか。
でも、はっきりとはわかっていないようです。

本番の試合で気負いすぎた、というのもあるかもしれません。
ただ、代表経験豊富な選手ばかりですので、気負いもどうかという気もしますが。

監督の対応の無さ

サッカーというのは相手の長所を消すのも戦術の1つです。

ところが、ザッケローニはどちらかといえば自チーム先行
W杯でも、1戦目はいつもの固定メンバーで戦っていました。
結果的に相手は対応しやすかったと思います。

それと、どんな場面でも同じ戦い方
勝ってる時も負けてる時も。
強い相手にも弱い相手にも。いつも同じ。

そういう意味では、確かに「自分たちのサッカー」だったと言えます。
まるでバルサのような。
どのチームを相手にしても、同じ戦い方。

普通は格上相手だと守備的になります。
ところが日本代表は、それが無かった。
いつも攻撃的。2点取られたら3点取るサッカー。

でも、現実は甘くないですよね。

1戦目はドログバ投入で逆転され。
2戦目のギリシャ戦も、相手が退場後のドン引きで打開できず。
これらは相手がうまく対応してきたとも言えます。

細かい戦術の部分でも、相手にうまくはめられました。

日本代表は監督の対応。プランBやプランC。
そういったものが足りなかったように思います。

監督がパニック

ザッケローニはW杯では、普段と違っていたように見えました。

試合終盤のパワープレー。
その方法自体は珍しくないのですが、これまでザッケローニは、あんな必死な様子で指示を出すのを見た覚えが無いです。
選手も相当に戸惑っていた様子でした。

大久保の起用もそうです。
これは彼の試合後のコメントです。

「今まで4年間、みんなずっと積み上げてきたものがあったなかで、一回だけ代表に呼ばれてプレー時間が45分間しかなかった俺が選ばれた。そんな俺がW杯の試合に出るようでは、そこまであまり積み上がってないのかな、と思った」

W杯は短期決戦。奇襲も必要です。
意外な選手の起用も効果的なことはあります。

ただ、今回はそれが大きくハズレになってしまった。

しかも、その奇襲で味方選手も動揺してしまってはどうなのか。
それまでがメンバーをかなり固定していたので、W杯での異常さが余計に際立ってしまいました。

あとがき

ハリルは、デュエルやショートカウンターというのが主なキーワードでしたが。

ポゼッションしながら、ショートカウンター。
別に相反するものではないと思うんです。

日本はなぜか前回の戦術を全否定することが多いように思います。
毎回、全否定だと、一か八かの成功しかない。
それで成功しても、なぜ成功したのかもわからないし、失敗したときにも対応できない。

協会は、前回を踏まえての方針で進めてもらいたいと、個人的には思っています。
いつも監督に丸投げですので。

トップへ戻る