本田圭祐。
彼のプレーは、よく「遅い」と言われます。
素人からも、メディアからも。
ただ、ネットの書き込みを見るたびに思うんです。
「本田は確かに遅い。遅いんだ。
遅いんだけど・・・、でもその遅さではない」
どういうことか。
それについて説明していきたいと思います。
あ、ちなみに自分は特別に本田のファンではないです。
とはいっても、よく試合は見ているのですが。
(´・ω・`)メキシコの試合もちょいちょい見てます。
足が遅いのか
遅いと聞くと、たいていはこうとらえてしまうんだと思うんです。
「足が遅い」と。
でも本田は足が遅いわけではありません。
例えば、カウンター時、ドドドっとチーム全員が駆け上がっていくとき。
それを見ても、別に遅い印象はありません。
だから、代表戦で本田が駆け上がる場面があると、次の日には「あれ?本田、足遅くないじゃん」という書き込みも見られます。
もちろん本田は俊足ではないです。
かといって、特別に足が遅いわけでもない。
スタイルの違い
本田の遅さは、プレースタイルから来ています。
本田はボールを貰ったら、一旦、落ち着かせる。
ザッケローニの頃は遠藤ヤットさんと共に「遅攻」などと言われていました。
もちろん、本田はダイレクトパスもできます。
ワンツーで返すパス。
でも、やっぱり落ち着かせるほうがしっくりくる。
そういう意味ではボランチっぽいともいえます。
攻撃の起点を作るような。
落ち着かせるひと呼吸。
ミランにいた頃には、こんな感じでも批判されていました。
「ホンダはボールを持つと、全体のプレーがワンテンポ遅くなる」
もっとも、ミラン時は周りとの連動の無さもありましたが。
チームが連動していれば、ワンツーでも返しやすいですからね。
一瞬の動き
実は本田の遅さはもう1つあります。
瞬発力です。
似た意味では「アジリティ」とかとも呼ばれます。
機敏さ、軽快さ、すばしっこさ、です
瞬発力があると、相手DFをドリブルで抜きやすい。
瞬間の動きが速いので、相手が対応できないわけです。
ところが本田は瞬発力が低い。
だから、相手DFと対峙した場合、1vs1だと打開が厳しくなる。
ミラン時代では、DFに張り付かれると、ほぼ前を向かせてもらえませんでした。
(´・ω・`)つまり、トップスピードは普通に速いが、初速が遅い。
チームで対応
先ほど、1vs1だと打開が厳しいと書きました。
でも、別に1vs1で対応する必要はないんですよね。
サッカーはチームプレーですから。
本田は右サイドで起用するなら、サイドバックとの連携で抜けばよい。
本田の背後をサイドバックが上がっていき、それにパスするわけです。
ミラン時代の序盤は、アバーテというサイドバックとの連携がうまくいっていました。
それで6ゴールを取っていました。
本田はパスをするタイミングがうまい。
日本代表だと、内田との連携はとても自然でしたね。
ただ、もちろん、他の選手の力を借りて突破するとなると、その分、その選手がいたエリアに隙間ができるわけで。
そればかりに頼ってしまうのもまずい。
だから、個の力が負けてしまっていると、試合運びが色々難しくなってきます。
まとめ
本田は足が遅いわけではなく。
プレースタイルや瞬発力の低さから、プレーが遅くなりやすい、ということです。
今どきのサッカーは、とにかく展開が目まぐるしい。
攻守の切り替えが速く、そしてプレーも速い。そういうチームがほとんどだと思います。
そう考えると、本田のスタイルというのは、少し時代から取り残されてしまっているのかなと。
そんな気もします。
それでも本田は戦術理解力や、ポジショニング、チーム全体のバランスをとる調整力など。
そうしたサッカー脳が非常に長けていますから。
もちろん日本人の中ではスキルや決定力もあるほうです。
だから、代表では非常に重宝する選手だと思いますね。