
作曲であると便利なのがMIDIキーボード。
このMIDIキーボードがあると無いとでは、作業効率が格段に違ってきます。
作曲する作業場所の空きスペースの都合もあるとは思いますが、できれば欲しいですね。これは。
MIDIキーボードを買う際に、どれにしようか迷われている方のために、自分が作曲で経験した点も含めて、いろいろ説明したいと思います(^^)
MIDIキーボードについて簡単に解説
まず「MIDI」という単語そのものについて。
「MIDI」とは、ざっくり言えば、パソコン用の楽譜です。
人間の演奏者は楽譜を見て演奏をしますが、パソコンはMIDIの並びを見て演奏をするわけです。
そして、MIDIキーボードは「MIDI」という信号をパソコンに送信するキーボードです。
ちなみに音源がついているキーボードは、シンセサイザーなど別のものになります。あくまでMIDIキーボードは、MIDI信号を送るためだけのキーボードです。
MIDIキーボードは信号を送るだけということもあって、比較的、安い価格で手に入りますね。
(パソコンで作曲するとなると、バイオリンやギターなどの音源ソフト、初音ミクもですが、結構な値段がします)
ただ、安いとはいっても、高いものだと10万近いMIDIキーボードもあります。
大きさも形状も機能も様々ですので、自分の目的、部屋の環境、予算などを考慮して選んでもらうとよいです。
MIDIキーボードはあったほうがいいの?
個人的には、MIDIキーボードは断然あったほうがいいと思いますね。
確かに、無くてもやれなくはないんです。
僕も作曲しているとき、ちょっとの音符ならマウスでササっと入力することもあります。
ですが、場面によっては作業効率が断然違ってきますね。
便利だという場面をいくつか挙げていきます。
演奏できる人は買ったほうが圧倒的有利
鍵盤での演奏ができる方は、作曲ソフトのリアルタイム入力機能を使うことで、演奏しながら、そのままMIDIを入力できます。
当然、便利ですので、買ったほうがいいでしょう。
むしろ買うしかない(`・ω・´)b
ただ、演奏できない方も安心してください。
僕は鍵盤での演奏はできない派です。ギターでの作曲を主にやっています。
それでもMIDIキーボードは便利ですね。他にも以下のメリットがあります。
演奏できなくてもコード入力で効果絶大
作曲ではよく、和音を小節ごとに入力する場面が出てきます。
C → F → Am7 → G など。
それをマウスで入力するとなると。
Gだとド、ミ、ソの3つの音ですが、マウスだとそれを1個ずつ入力することになります。
そして、ドミソを入力したら、それを次の小節にコピペして、次のFのコードになるようにコピペした3つの音をそれぞれずらす。
次の小節はAm7なので、また同じようにコピペして…と、繰り返していく。
まあ慣れれば、この作業もそこまで時間がかかるものではないのですが。
でも、MIDIキーボードがあれば。
キーボードで、Cのコードの鍵盤をポンと1回押す。続いて、F、Am7、Gとコードの鍵盤を次々に押していく。すると入力完了。
こちらも多少の慣れは必要ですが、慣れてしまえばこちらのほうが断然速いです。
「ピアノとか鍵盤なんて触ったことないよ(´・ω・`)」という方も大丈夫です。
僕もからっきしでしたが、コードを入力するぐらいは難しくはないです。
というのも、作曲ソフトのほうに便利な機能があって。
リアルタイムで曲に合わせて入力する必要はなく、自分のペースで鍵盤を押すたびに、音符が入力されていく、という入力方法が用意されています。
だから「Cのコードはえーと・・・、この3つの鍵盤を・・・ポン!」と、たどたどしくやっても大丈夫です(^^)
演奏で音に強弱がつけられる
MIDIには、音の強弱をつける値(ベロシティ)があります。
そして、MIDIキーボードは、鍵盤を押した強さによって、その値も送信してくれるものがあります。
指定している楽器にもよりますが、コードを入力するだけでも、ベロシティの強弱をつけてMIDI入力すると、らしく聞こえる場面がありますので、重宝するときがあります。
なお、ベロシティの強弱に関しては、入力後に作曲ソフトのほうでも調整は可能です。
手動で調整したり、音の強弱のばらつきを自動でつけたり(ランダマイズ)することもできます。
キーボードで弾いてると作曲のひらめきが違う
僕は基本的にギターを弾いて作曲をしますが、キーボードでコードを弾いてると、インスピレーションが違ってきますね。メロディーの中には、「鍵盤で弾いてないと思いつかなかったろうな」というものがあります。
他の方にも、同じことを言っている方がいましたので、そういうのはあると思いますよ。
(`・ω・´)b
特殊なメロディーの入力が容易
グリッサンドというのはご存知でしょうか。
ピアノやオルガンなどで、鍵盤を手や指で押さえながら、左端から右端(または逆もある)までジャラララララン!と弾く演奏のことです。
市販の楽曲でもよく使われてますよね。
僕は作曲していると、これを使いたくなる場面が結構出てきます。
そして、このグリッサンドの入力は、MIDIキーボードがあったほうがすごく楽です。
グリッサンドって、自然な感じで入力するのが案外難しいんです。
もしもマウスで入力するのであれば、1音ずつ入力して、それをタイミングをばらつかせて、そして一旦、再生して確認。
でも「うーん、なんか違う」と、いつまでたってもしっくりこない。
ところがMIDIキーボードがあれば、ジャララララン!と入力すれば一発です。
これはリアルタイムで入力します。うまくいかなければ何度でもやり直せばいいですからね。
音源の音色の確認がしやすい
これは特に、ドラム音源で重宝してますね。
ドラム音源というと、Addictive drums とか、BFDとか。
どちらの音源でも、まずはじめに、どのドラムセットにするかを決める。
「ロックっぽいのにしようか・・・、それとも、もう少しヘビーのでいこうか・・・」という具合。
そして用意されているプリセットを、次々に選んで音色を確かめていくと思います。
そのときに、MIDIキーボードがあれば、鍵盤を押すとキックやクラッシュシンバルの音色がすぐに確認できるので非常に便利です。
これをマウスでやる場合、パソコンの画面上で、いちいち確かめたい音の位置までマウスを動かしてクリックしないといけない。
ハイハットの音を確認したいなら、ハイハットの場所までマウスを移動してクリック・・・
これは結構、面倒です。
それにタムなんかは、ダララ!ダララ!ダララ!ダララン!と連続で鳴らして雰囲気を確認したい時がありますが、マウスだと操作が追い付かないので厳しいです
でもMIDIキーボードがあれば、キック、ハイハット、タム、クラッシュ1、クラッシュ2、クラッシュ3・・・と、鍵盤を押してすぐに確認できます。
これは、鍵盤数が多いMIDIキーボードがより便利ですね。
あと、ドラムの他にも、シンセ音源で、低い音と高い音で音色が違ってることがあります。音の高低というだけでなく、音色自体が途中で変わってしまってる。
それを確かめる際にも、MIDIキーボードがあれば、手元で低い音の鍵盤と高い音の鍵盤を押して、すぐに確認できます。
ピッチベンドの入力が簡単
演奏の中には、音の高低をスムーズに移行するものがあります。
例えば、ギターのチョーキングとか。シンセでも良く使われますね。
これは、MIDIであれば「ピッチベンド」という値で表現します。
そして、そのピッチベンドの入力を便利にするのが、モジュレーションホイールです。
たいていはMIDIキーボードの左端あたりにあります。
つまみがあるものもありますし、マウスのホイールみたいに円状のものもあります。
ショップでいろいろ見比べてもらうとよいです。
ピッチベンドもマウスで設定はできるんですが、このツマミを使ったほうが、入力がすごく楽です。
それにマウスでやっていると、値をきれいに整えたつもりでも、いざ再生して確認してみると「なんか違うな・・・」っていうことが結構あるんですよ。
先述のグリッサンドと同じく、このピッチベンドも、MIDIキーボードでリアルタイム入力したほうが楽ですね。
MIDIキーボードを選ぶ際に気を付けたいこと
ここからは、MIDIキーボードを選ぶ際の具体的なコツをまとめてみました。
鍵盤数の多さ
MIDIキーボードの鍵盤数ですが、25鍵、32鍵、37鍵、49鍵、61鍵、88鍵などがあります。
ただ、88鍵だとかなり幅があります。
買う前に、MIDIキーボードを置く場所と、機器の寸法を照らし合わせてみてください。
「でも鍵盤数はやっぱり多いほうがいいんだよね?」と思われる人もいるかもしれませんが、プロの作曲者でも25鍵を使っているという人もいますので、そこまで鍵盤数にとらわれなくても大丈夫かと思います。
でもキーボード演奏が得意な人は、もちろん鍵盤数が多いと便利ですね。
ちなみに僕は49鍵のものを使っています。
この数でも結構、演奏できますよ。メロディーによってはキーボードの端につっかえてしまいますが、オクターブを変えれば入力できますので。
コントローラー機能の数
基本的に高価格のものほど、いろいろなツマミ(フェーダー)や機能がついています。
作曲ソフトの再生・停止ができるボタンを備えているものもあります。
ただ、使わない人にとっては、不要な機能になるので、あまり高いものを買っても無駄になる可能性があります。
それと、シンセ音源を使って作曲する方は、ツマミを2個以上使ってリアルタイム入力することがあります。
1つ目のツマミは音の高低を変えつつ、もう1つのツマミでは、少しずつフィルターをかけて音色を変えていく、など。
そういう目的であれば、フェーダーがあるモデルだと便利でしょう。
ちなみに僕は、最初に買ったのは49鍵でモジュレーションホイールのみがついている、非常にシンプルなキーボードでした。
買ったときはまだ詳しくなかったので、安いものを買ったのですが、たまたまではありましたが、自分の用途に合っていたと思います。
付属のソフトの有無
MIDIキーボードを買うと、作曲ソフトが付属でついてくることがあります。
作曲ソフトはたいてい廉価版のソフトです。
廉価版というのは、値段が安い代わりに、機能に制約が設けられているバージョンです。ソフトを使って気に入ったなら、完全版のソフトを買ってくださいね、というものですね。
ただ、機能に制約があるとは言っても、基本の音源は備わっていますので、それで演奏がすぐにできます。
主目的はMIDIキーボード本体ではありますが、作曲ソフトをまだ持っていない方は、考慮されると良いかもしれません。
たくさんの人に使われているか
作曲していると、いろいろ疑問点や不具合が出てくるものです。
「パソコンに接続したけど音が鳴らない…」など。
うまくいかない状況が発生するかもしれません。
そんなとき、多くの人が使っている機器なら、ネットを検索して答えが見つかる可能性が高くなります。これは結構有利だと思います。
個人で作曲している場合、まわりに作曲に詳しい人がいないことも多いのでないかと思いますが、そんなときネットで答えが見つからないとツライ。
僕自身も、持っていたMIDIキーボードとは別会社のサステインペダルを購入しようとした時、きちんと接続できるのかどうか、ネット検索して情報を探しました。
そして、接続していた方がいたので安心して購入できました。
ショッピングサイトで、レビュー件数が多いものは人気商品の可能性は高いので、そういった点も考慮しておいてもらうと良いかもしれません。
どんなMIDIキーボードがオススメ?
最後に、おすすめのMIDIキーボードを選んでみました。
【1位】 Roland MIDIキーボード A-49
まず、オススメ1位はこちらですね。入門者向けのスタンダードな商品です。
【2位】KORG microKEY-25
シンプルなMIDIキーボードです。
下図は25鍵ですが、シリーズでもっと多い鍵盤数のもあります。
でも、この商品はコンセプトを考えると、買うなら鍵盤数は少なめのほうが良いと思います。多い鍵盤数であれば、1位の方をオススメします。
こちらは置き場所が狭い、演奏はしないという人などに向いています。
【3位】Roland MIDIキーボード A-500PRO
フェーダーがついている高機能なMIDIキーボードです。
実機を見たことがあるんですが、見た目もかっこいい。
見た目って案外大切で、やる気が上がるんですよね(^^)
お金と置き場所に余裕があればオススメです。
あとがき
ここまでお読みいただいたい方は感謝です。
迷っているのであれば、最後は勢いだと思いますよ。
個人的には、鍵盤数は49鍵以上はほしいです。ただし、置き場所がない場合は、少ない鍵盤のMIDIキーボードも検討していく、という感じですね。
ぜひ、MIDIキーボードを手に入れて便利に作曲してみてください!(^^)